オンライン小説の始まり

始まりは1980年代から

皆さんは小説と漫画、どちらを好みますか?この質問に答えるとしたら大半が漫画と答えることでしょう。もしかしたら小説と答える人もいるかもしれませんが、小説の中には現在読みやすくて作品のレベルとして考えても問題ないというものもいくつか存在しているでしょう。小説といったらもちろん純文学等に該当するものから、ライトノベルのように読みやすい作品といったどの年代が見ても分かりやすい内容の作品もあります。私個人としては小説と漫画、どちらも愛用していますが比重として考えた場合には小説の方が機会も多く読んでいると思います。どうして小説を読むということを苦手としている人が実際にいるのも事実です。それは昨今言われている活字から離れている影響で、文字を読むことが苦痛に感じてしまうという人が多いからでしょう。ですがこれは治そうと思えば苦手意識はいくらでも克服できるものだと思います。単純に、それは読めば良いだけの話だけです。もちろん一冊丸々を一日で読むというのは苦手意識を持っている人からすれば無理かもしれませんが、一日に何ページかという目明日を決めて読み進めていくだけでも良いと思います。それを繰り返していけば必然と文章を読むということを好きになれるのでは、と個人的には考えています。実際には総簡単なことではないのかもしれませんが、文章というものはやはり触れ合っていることで色んなものを手に入れられる、そう感じています。

小説を読むということを好んでいる私の一番の理由としては、それは文章で表現される場面を読み進めながら自分の頭の中で思い描くということをよく行なっています。文章だけですから、そこに登場してくる動物や風景、表情や仕草、草や花の匂い、太陽の形や海の色など、そこで表現されている言葉で連想して想像するということを好きなので、小説を頻繁に読んでいます。もしかしたらこれを苦手としているのかもしれません、ですが無理に話を想像する必要もないと思いますが、さすがに話にストーリー性を持っている時点で想像しながら読み解いていくということが一番やりやすい手段だといえるでしょう。別にここで小説を嫌いな人に好きになってもらいたい、もちろんそんな思いもありますが、そんな人でも小説には小説なりの素晴らしさというものを内包しているのでそのことを理解してくだされば幸いでございます。

小説を発表するということになると、すぐさま思いつくのが出版社側から刊行されている作品ですね。ですがコアな人たちからすれば、そういった商業的な作品だけではなくアマチュアで発表されている作品に関しても精通している人がいます。アマチュアで発表されている作品というものは必ずしも紙媒体で出版されているとは限りません。確かに自費出版することも可能ではありますが、その時に掛かる費用というものが案外馬鹿にならないので安くないのは、色々と活動している人なら存じているでしょう。そういった人たちの中には小説を発表したいと考えている人もいるでしょうし、どうしても自分の作品を発表したいと考えているなら一番手頃で、また費用も掛からない方法があります。その方法というのが『オンライン投稿小説』という手段です。

もはや今更語ることでもありませんが、自分が考えた小説を発表して色んな人に見てほしいというインターネット上に広がるサービスです。特定の投稿サイトに載せるものから、個人のホームページで掲載している作品といった具合に、発表方法も色々とあります。

さて、そんなオンライン小説という概念がいつ頃誕生することになったのか、その起源を考えてみることにしましょう。その起源としては、なんと1980年代のまだパソコンというものが生まれて間もない頃となります。当然ですが、この時代においては現代のようにパソコンは必須商品というものではなく高級品として扱われていました。そんな中で日本初めてのオンライン小説と言われたのが、神奈川県の小田原マイコンクラブが運営していた草の根BBS『マイコンセンター』に連載されていた原田えりかさんの『シシャノミルユメ』がその全ての発端だといわれています。そんな前から既にオンライン小説というものの概念が誕生していたと考えると少し夢も広がりますね。ですが、この頃の投稿の仕方としてはパソコン通信というものを通じてのものでした。

その後世間にパソコンが徐々に広まり始めた頃、世界にはインターネットが誕生したことによってパソコン通信そのものがドンドン退行していったことによって、オンライン小説の形は先ほどお話したインターネット上での掲載という形になって行きました。

作家の数は千差万別

オンライン小説の形がネットに移行したことによって、ようやく私の知るオンライン小説の形ができたと思います。私もそんなオンライン小説をよく読んでいる人間の一人です。とは言っても、私の場合は投稿サイトに掲載されているような内容のものではなく、個人サイトで掲載されているものをよく読んでいました。そのとき一番流行っていたオンライン小説というのが、ケータイ小説というジャンルです。今でこそかなり文化としては衰えていますが、ケータイ小説というものが誕生したことによってそれまで小説とは無縁の生活をしていた人も親しめるような結果を招くことになりました。

そんなケータイ小説の中で最も有名な作品といえば、やはり劇場作品化された『恋空』という映画でしょう。この作品は原作として発表されたものはおろか、映画も大ヒットを記録することになりました。作者としては最高にいい展開でしょうが、私個人としては始めからそんな商業用として展開していくつもりだったのでは、と思っています。

まぁそんなことは良いとしましょう、そんなこんなでネットで小説を運営するということを一般にも利用することができるという事実を知ってからそれこそサイトの数は山のように増えていきました。2,3日目を話した瞬間には見たことないサイトからリンクの申し入れが来ている、といった宣伝も頻繁に行なっていました。個人サイトの弱点としては閉鎖的に開設されているということから、そこまで多くの人が来訪するということはありません。どちらかといえば細々とやっていくことになりますが、それが嫌な場合には様々なところで自身のサイトの宣伝活動をすることになります。自分のサイトを宣伝して、相手のサイトを宣伝するリンクを行なって人を増やす手段を用いなければなりません。もちろん繋がることで管理人同士が友達同士になることもあります。でも中には始めからそのサイトに訪れている人たちを自分のサイトに呼び込むために、根も葉もないことを言いふらすといった悪質なことをする人もいます。このために個人サイトで一度でも悪質なことをする人に叩かれでもしたら、それだけでサイト運営というものに対してやる気を失ってしまうこともあります。

一方で投稿サイトでの小説掲載というのは一定のお客さんをこちらから呼び込むということをしないで読んでもらえる機会が増えます。そして小説投稿サイトという名目でサイトがオープンしている以上、そこには小説を読むことを目的としている人が何人も一日に来るわけです。そうなった場合には非常に多くの人に読んでもらえる機会が増していくことになります。書き手としては非常にやりがいのあることですね。

こういった様々な小説に関する投稿サイトの増加と、ケータイを使っての小説投稿については数年前はかなりの勢いで関連しているサイトが増加していたことでしょう。様々なコミュニティが誕生して、交流もかなり深いところまで親交を繰り返していた、等という人も多いのではないでしょうか。

オンライン小説というのは基本的に自己満足で書いている人が過半数を占めているでしょう。もしくは趣味として始めた、といった理由もあるでしょうが数はますます増加の一途を辿っていきました。私が知る全盛期としては、2006年頃から数年間はピークにあったと思います。丁度この頃には携帯のモデルというものもさまざまなものが発表されており、携帯を使って頻繁に利用している人が増えているということもあったと思います。

現在の状況

現在のオンライン小説、特に個人で経営しているサイトに関しては新参として参上した人以外に関しては例外としてですが、それ以前から始めている人たちの中には現実での生活との兼ね合いから離れてしまっている、という人も中にはいます。どうしてそうなってしまうのかという理由に関しては、単純な話です。小説を行進する頻度が減っていくとそれだけ見てくれる人の数も減っていくことになります。オンライン小説の利点としては何時でも何処でも投稿できることでありますが、それが却って仇となって更新頻度が少なくなってしまうという事態も起きてしまうのです。中には更新頻度を気にすることなく待ってくれる人もいますが、そういう人は本当に例外となります。大半の人は更新回数が減ってしまうと見込みがないとして違う作品を求めて離れてしまいます。よほど作品の出来がよければそのようなこともないかもしれませんが、そういう作品を作り出すということも中々出来ないものです。

そもそも、どういう作品が好まれるのかということを統計的に考えて作り出すということは、すでにアマチュアとして活動している小説家としては範囲外となっていると見えます。オンラインとして発表している作品の良いところとしては、作者が本当に楽しく作品を作り出しているというところが肝ではないでしょうか。アマチュアとして活動しているのですから、そこまで強い制約が伴ってくるわけではありませんので、やはり個人で以下に楽しく作品を作り出しているのかということを重要視しておくべきではないでしょうか。個人で活動している分にはやはり楽しく作品を作っているということが何よりですし、自分が書いていて楽しいというものを呼んでくれる人と分かち合うということをすることこそ、こういったオンラインで発表されている小説の醍醐味ではないでしょうか。

商業作品化することも

さて、こうしたオンラインで個人で発表されている小説の中には商業誌として発表されてヒットしている作品もあります。実はこういったオンライン小説などをじっくり見て新時代の若き才能がいないかと出版社の編集部が覗いているということがごくたまにあるのです。本当にごくたまにです、そしてその目にかなう作品を掲載している作家がいた場合には商業誌化しないかと話を持ちかけるわけです。

実際に何度も事例は存在しています、先ほどの恋空もそうですがその他にはこちらもオンライン小説とは違うのですが、2ちゃんねるといういわゆるBBS上で掲載された通称『電車男』と通称『エルメス』という男女一組がリアルに書き込まれたとして話題を集め、その内容を元に書籍化・劇場ドラマ化・テレビドラマ化など、多数のメディアミックスをして大ヒットを繰り出した『電車男』という作品も、簡単に言えばオンライン小説発と考えられるかもしれません。もちろん厳密に言えば異なっていると考えられますが、こういった電車男以外でもオンラインで個人投稿をしているところに出版社から声がかかったことで、プロの作家として活動することになったという人も実際に存在しているのです。その数も年々増加しており、この作品を書いている人も元々はオンライン小説からその才能を見出されて出版までにこぎつけることになったという人も中にはいるので、もしかしたら熟読している本の中にはオンラインで活躍していた人が含まれているかもしれませんよ。

さて、今日はそんなオンラインから登場してその後商業誌として発表されて、現在までに大ヒットを繰り出している作品を紹介して行きましょう。